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剣道人のブログ
by asami-hitorigoto
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審査の研修における漫談の後半

 休憩時間にお茶とモナカを一つ口にして、エネルギーを充電。残り時間は60分。大学の講義1回分よりは少ない、と気を取り直してスタート。


 後半は、「審査会において」というテーマで。

 今年の京都での審査会で、ある範士が話していたことを紹介した。
 「過去において、自分のZ県では、5段の審査で、50人が受審して合格者は1人、という状態だった。それを今、是正してきた」・・・・岩手ではみんな合格しちゃうよ。

 これにちなんで、関東地方では4・5段の審査で合格者は少ない=厳しい審査となっているという情報もある。・・・・・京都でも、Z県から来た審査員は、特別にきつかったね。

 京都での6・7段審査会でも、審査の前に審査員の研修がある。その時に副会長が話されたことを紹介した。



 各審査会場の審査員6名の中央には範士が2名、残りが8段教士。両端が8段教士で中央審査の経験が少ないという席順。

 副会長は、過去の審査会において、審査員それぞれの合格者人数は、審査員席の中央の審査員が多数に合格としており、両サイドの審査員が合格者少数という結果になっている。
 この結果は両端の審査員は、審査の経験がまだ少なく、自分の稽古や受審の体験からなる主観だけから判断し、それに対して中央部の範士は、審査経験が豊富で、受審者の力量を総合的に判断しているからではないか。
 でも、6名の審査員の合否の判断が一致しているならまだしも、極端に厳しかったり、極端に甘かったりして、他の審査員とは判断が一致していないというのは、受審者の力量の「見極め」ができていないとみなされます。そうならないようにしてくださいと挨拶された。

 つまり「一致した見極め」ができることが審査員には大切なこと。ま、それでも見極めが違うことはしばしばあるけどね。

 問題はここから。

 さて、どうして6名の審査員の判断が、一致した結果にならないのか。つまり、自分は丸だと思って合格に印をつけたが、発表を見ると不合格。または自分は不合格と思ったが、結果は合格となることがある。
 これはどうしてだろうか?


 つまりこの原因は、審査員は自分の受験体験だけで判断しているからではないかというのです。体験は8段以上の方々でも、それぞれ違いますからね。だから合否の判断がバラバラになる。これでは「一致した見極め」という結果には中々ならない。


 そこで全剣連は、平成12年から、「審査規則・細則」を制定して、その中で「付与基準」と「着眼点」を明記した。
 各地の剣道連盟で昇段審査(初段~5段)を実施する場合、審査員の体験や識見からなる主観に頼るだけではなく、この合格させるか否かの「付与基準」と「着眼点」を理解して審査に当たり、総合的に判断するようになっている。そして審査の目的である、「剣道の奨励と向上」を満たすようにしていく。これ、知っていました?


 この「付与基準」と「着眼点」はどんなものかを、板書して説明をしていった。

「付与基準」の条文から、用語を抜き出して書くと次のようになる。

初段: 基本を修習 技倆は良
二段: 基本を修得 技倆は良好
三段: 基本を修錬 技倆は優
四段: 基本と応用を修熟 技倆は優良
五段: 基本と応用を錬熟 技倆は秀

「着眼点」はどうなっているかというと、  

初段: 正しい着装と礼法・適正な姿勢・基本に則した打突・充実した気勢
二段: 正しい着装と礼法・適正な姿勢・基本に則した打突・充実した気勢
三段: 正しい着装と礼法・適正な姿勢・基本に則した打突・充実した気勢
四段: 正しい着装と礼法・適正な姿勢・基本に則した打突・充実した気勢・応用技の錬熟度・鍛錬度・勝負の歩合
五段: 正しい着装と礼法・適正な姿勢・基本に則した打突・充実した気勢・応用技の錬熟度・鍛錬度・勝負の歩合

(さらに六~八段は、上記に加えて「理合、風格・気品」について、更に高度な技倆を総合的に判断して、実力の有無を審査するとなっている。面ヒモが長いなんてのは、初段からしてダメですよ)

 「付与基準」で注目するのは、基本を「習」「得」「錬」の違い、技倆が「良」「良好」「優」かが、初段か、二段か、三段かの視点。ただし、「優」は、他の人よりも抜きん出ている、相手よりも優れているという意味のことではない。絶対評価で技倆として「優」と見ていくこと。つまり、基本を錬磨しており、技倆が見事という見方で判断する。
 4・5段になると、修熟と錬熟の違いを見極めるのは難しい(浅見には)。それ故、「着眼点」にもある応用技を発揮できるかということと、鍛錬をうかがわせ、攻防の中での有効打突の有無ということが視点に加わる(このことは六~八段審査でも同じ事)。

 どんなに構えや気勢が立派で打突も果敢に繰り出すけど1本にならないとか、打っているけど打たれてもいる・・・・などでは勝負の歩合が不足でダメとなるのでしょう。(岩手では不合格となる人はいない???)
 


 さて、研修生の皆さんに発問しました。それぞれの段位で受信した人を審査する場合、出来・不出来(マル・バツ)だけではなく、評価を5段階で評定するとします。
 つまり初段~五段の受審者を、それぞれの審査で大変に良い出来を「5」、だんだん評定が下がって、最低が「1」だとする。
 では審査員として、どの段階までを合格としますか?と発問。

 30人近くの研修生(七段)の多くは、「2」なら合格とする。研修生のうち、2名が「3」以上を合格とするという回答でした。
 ま、それは審査員それぞれの見識でしょう。

 これまでは、マルバツだけの評価をしていたのかもしれません。
 でも、通知表で「2」をもらっても、「合格」とするのと同じ意見が多かったことから、今後の審査会では合格者は多くなることでしょう。
 審査前(の研修)には合格ラインを、「2」にするか「3」にするか打ち合わせて確認しておくことは必要でしょうね。

 
 質問が出ました。「受審者の中には、ハンディを持つ人、病気を持つ人などがいる。子どもにもLD、ADHD、高機能自閉症等の症状を持つ受審者がいる。どう評価するか」

 浅見の応答:
 現在、学校では普通学級における特別支援教育を行うことが平成19年から法律で決まりました。過去は、ハンディキャップのある場合は、特別の施設に分けて教育するのでしたが、今は、普通学級で一緒に教育をする取り組みに変わってきています。
 審査でも、障害を持つ受審者に対しては、他者との比較ではなく(たとえば、三段なら県の高校代表選手と同じレベルでなければならないとするのではなく)、絶対評価でみる。すなわち、「基本を修錬 技倆は優」で着眼点を満たせば合格となると考えるようにします。


 以上で漫談の時間が終了、12:00ちょうどになりました。


 午後は、13:00-14:00の1時間、前日の研修に欠席してこの日だけ参加という人が12名もいたので、4人組を作り、各組の中で、昨日の日本剣道形の研修を受けた人と受けなかった人でペアとなり形を打つ。それを他の2人がチェックして、どこが見事か、研修したことと違っているかの評価を告げるというやり方で、1~10本を実施。七段といえども、次々と次の形に進むとはならない。如何に普段から稽古していないかということがバレバレ。

 海外での剣道形への取り組み方を研修の漫談の中でも言及したが、剣道文化が海外にしか残らないような状態にはしないことです。
 日本では、審査前だけしか剣道形の稽古をしないでしょ。海外では、日常的にやっていますからね。

 
こんな話も、『剣道好きをつくる指導』の中に、紹介してあります。ご一読を。

 
by asami-hitorigoto | 2011-05-18 13:16
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